
2026年7月より、ベトナムの首都ハノイの中心部におけるガソリンバイクの使用が全面的に禁止になるとのこと。
ハノイは世界で最も大気の質が悪い都市の1つとされることもあり、大気汚染対策として今回の方針が発表されたという。
2026年7月、ハノイ中心地からバイクが消える……?
ハノイの人口は約800万人とされており、その大多数が日常の移動手段としてバイクを利用している。ハノイの中心部はスモッグに包まれることが多く、排気ガスが主要因の1つとされているそう。
ベトナム政府は深刻な大気汚染への対応策として、2026年7月よりハノイ中心部でのガソリンバイクの使用禁止を発表。今回の大規模な改革は、歴史的な脱化石燃料施策と位置づけられているらしい。
規制は段階的に強化を予定。2028年には自動車も対象に
ベトナム政府は、規制を段階的に強化する予定だそう。2028年1月からはすべてのガソリン式二輪車が規制対象となるうえ、一部のガソリン車(自動車)も制限されるという。
また、大気汚染や気候変動への対応として、電気自動車(EV)への転換も推進していくとのこと。ベトナムを代表するEVメーカー「VinFast(ビンファスト)」が旗振り役となるのかもしれない。
バイク禁止に加え、廃棄物処理施設の改善や大気汚染監視システムの拡充、違反者に対する罰則の強化なども行われる予定だそう。さらには、違反者を通報した人に報奨金が与えられる"密告制度"の導入も検討されているとか。
「労働者にとっては死活問題」と懸念の声も
今回の政策に対し、市民からは懸念の声も。配車アプリ「Grab(グラブ)」のドライバーとして働くNguyen Van Hung(グエン・ヴァン・フン)氏は、「バイクで生計を立てている人にとっては死活問題だ」と述べている。
また、「空気をきれいにすることには賛成だが、公共交通機関の拡充や支援策が必要だ」との意見もあがっている。ガソリンバイクをただ禁止するだけではなく、代替となる交通手段の整備も必要だろう。
大気汚染対策と引き換えにハノイが住みにくい街になってしまうとなると、市民は納得できないはず。環境と市民の双方にメリットのある策を講じる必要がありそうだ。
Reference: Vietnam will ban fossil-fuel motorcycles from central Hanoi over pollution concerns